2006年12月02日

家庭でヤギ屠殺 実は合法/届け出制周知されず(沖縄タイムス)

愛好家「密殺助長」 県「衛生面で問題」
 ヤギを家庭で屠殺するのは事前に県に届け出れば合法的にできるにもかかわらず、県が「衛生上問題がある」として長年、周知を怠ってきたことが一日までに分かった。少なくとも過去十年間、届け出は一件もなく、統計上は県内では家庭での屠殺は存在しないことになっている。しかし、事情に詳しい愛好家らは制度が知られていないために、無届けの「密殺」が広く行われている実態を指摘。「広報しない県の怠慢が違法行為を助長し、食文化の危機を招いている」と批判している。(田嶋正雄)
 豊見城市に住む川満幸弘さん(50)は十月、飼育するヤギ一匹を自宅の敷地内で解体した。その場で調理し、家族や友人らとヒージャー汁や刺し身、チーイリチャーなどのごちそうを楽しんだ。

 合法的に屠殺を行うため、と畜場法で定められた「自家用とさつ届」を五日前までに県に提出。県の施行細則に従い、獣医師の診断書も添付した。解体時には県の指示通り、国が伝達性海綿状脳症(TSE)感染の危険部位とする頭部、脊髄、小腸、大腸を除去。

後日、指定の施設に持ち込んで焼却処分した。

 県は家庭での屠殺の相談があった場合も、食肉業者と同様に食肉処理場に搬入して解体するよう指導しており、合法的な方法があることは知らせていない。「密殺」防止を呼び掛けるチラシでは「と畜場以外でと殺、解体処理してはいけません」とし、非合法行為であることや罰則などを強調する一方、例外があることを示す記述はない。

 県薬務衛生課は「慣れない人がと畜すると食中毒の危険性が非常に高い。本当に家庭で消費するかどうかの確認もできないので勧められない。すべてのヤギを県認可の食肉処理場で安全に解体するよう指導している」と説明する。今回の届け出は「何年ぶりか分からない」(同課)ほど久々だという。

 ヤギの屠殺は沖縄の伝統として古くから親しまれてきたが、いかなる場合も違法な「密殺」だと受け止められてしまった結果、非公然化の一途をたどってきた。

 川満さんは「祝いなどの行事の際、家でヤギを屠殺するのは先人から受け継いだ大事な食文化。届け出ができることを隠し、すべて密殺扱いする県のやり方は食文化の破壊だ」と批判。「このままでは、家畜を苦しめない伝統的な屠殺技術が途絶えてしまう」と危機感を募らせる。

 沖縄の食文化に詳しい元名護博物館長の島袋正敏さん(63)は、食肉処理場まで運ぶ負担を嫌って無届けの屠殺が広く行われている現状を指摘。「家畜をほふること、命を取り込むことなどのすべての工程があっての食文化。裏で横行する密殺をなくすため、県は届け出を奨励し、実態を把握すべきだ」と話している。


[ことば]


 と畜場法第13条 (獣畜のとさつ又は解体)何人も、と畜場以外の場所において、食用に供する目的で獣畜をとさつしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。1、食肉販売業その他食肉を取り扱う営業で厚生労働省令で定めるものを営む者以外の者が、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事に届け出て、主として自己及びその同居者の食用に供する目的で、獣畜(生後1年以上の牛及び馬を除く)をとさつする場合(後略)。

沖縄タイムス2006年12月2日(土) 朝刊 27面


posted by Mana at 16:40| Comment(1) | TrackBack(1) | 動物ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB承認&TBありがとうございます。
これからもどーぞよろしく。
Posted by 原 拓史 at 2008年12月17日 14:19
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ヤギ屠殺へむけて
Excerpt: 今年は少雪で推移してる北海道、中川は特に、なんですが、 今日は雪(ああ、せっかくのPerigee:月が一年で一番地球に近い日なのに)。 こないだまでたまにとけてたのが異常なんだけど、 さすがに雪..
Weblog: 原 拓史blog
Tracked: 2008-12-12 17:00
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