2009年01月20日

戦前日本の動物虐待

『法科回想録』(1932=昭和7年)での法学博士岡田朝太郎の談話より。

我国では子供は固より、たまには大人まで、知らぬ犬猫を見れば杖で打ち、雀や烏を見れば石を投げ、浅草のやうに馴れた鳩が足元に近けば、不意に蹴る真似をして驚かしたり、馬が坂を上りかねれば、荷が重すぎることには構はず、無闇に打ちはたく、斯る悪習は不知不識の間に残忍性を醸成し、遂に帝国をして血に関する犯罪のプロツヱトに於て、世界の第二位たらしむる素因の一を為すのである(中略)仏蘭西留学中寓居のすぐ前方のJardin du Luxembourgに於て、人に馴れた雀を見るに及んで、益々其信念を高めたのです、食卓でこぼれる麭包の粉を袋に溜めて子供に持たせ、保姆が連れて右公園へ来て、それを雀に投げ与へる、多数の子供が朝夕さうする為め、雀はすつかり人に馴れて、たゞに側へ来るのみならず、粉を掌に載せて差出して居れば、掌の上に乗つて拾ひ、肩や天窓にもとまつて餌をねだる、子供はくすぐつたくて、首を引き込めてゲタゲタ笑ふ、私はそれを見るたび無限の感に打たれ、他でも屡々此例を引用しました


戦前の日本が「血に関する犯罪」数世界ワースト第2位(!)であったこと、そしてその原因に動物虐待があると岡田が認識していたことがわかる。

戦前日本の少年犯罪に凶悪犯罪が多かったことは、管賀江留郎『戦前の少年犯罪』をはじめ、最近いろいろ論じられているが、「昔はよかった」「日本人は道徳が衰えた」というのは全くの誤りなのである。教育勅語を誰もがそらんじることのできた時代の実態は、こんなものであった。




posted by Mana at 06:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。